クリニックの譲渡条件は、譲渡価格、スタッフの雇用、院長の残留、院名、設備、引継ぎの範囲を一つの条件表で確認します。金額だけを合意してから他の条件を詰めると、予定する診療体制や作業日程と合わない部分が残るためです。
譲渡価格の対象と雇用・院長残留の希望を分ける
譲渡価格が何の対価なのか、設備、資産、契約、不動産などの対象を明らかにします。支払時期や費用も、価格と別の欄に記録します。雇用条件は、希望を伝えただけなのか、候補先と確認できた内容なのかを区別してください。
院長の残留期間は、診療日数、紹介元への説明、スタッフ教育などの役割に対応させます。勤務できる時間と、候補先が依頼する作業が合うかを確認し、期間だけで引継ぎを完了したことにしません。
院名と設備を変更・継続の項目に分ける
院名、診療時間、患者への案内は、継続する事項と変更を検討する事項を並べます。どの段階で誰が説明するかも、候補先と確認してください。名称や診療方針が未定なら、告知の内容を先に確定させないようにします。
設備は所有者、リース残額、保守や更新の予定から整理します。引継ぎ対象に入れるかどうかと、契約相手への確認を別々に扱い、利用できることが未確認の機器を前提に診療計画を固めないようにします。
表明保証と引継ぎの未確認事項を記録する
表明保証を検討するときは、候補先から求められた確認事項、確認できる資料、未確認事項を対応させます。責任の範囲や条文の判断は契約を扱う専門家に確認し、資料が見つからない項目を確認済みと説明しないことが大切です。
最終的な条件表には、行政への相談、人員・設備・システムの引継ぎ、患者やスタッフへの説明について、担当者と完了を確認する方法を付けます。価格や残留期間に変更が生じたら、他の条件にも影響するかを見直します。
面談前に整理する資料と確認事項
| 論点 | 用意する資料 | 確認すること |
|---|---|---|
| 譲渡価格・雇用条件 | 対価の対象、支払時期、雇用の希望 | 合意・提案・未確認を区別 |
| 院名・設備 | 名称や診療時間、設備契約の一覧 | 継続・変更・対象外の整理 |
| 表明保証・引継ぎ | 確認事項、裏付け資料、作業日程 | 専門家への質問、担当者、完了条件 |
相談の初期には、広域の所在地や集計情報で説明し、匿名段階の概要とNDA後の詳細資料を分けます。次の経営・契約資料も、手元にあるものと不足するものを一覧にしてください。
- 直近3期の決算書、試算表、月次売上の推移
- レセプト件数、診療単価、再診率、紹介元の概要
- 医師、看護師、衛生士、薬剤師、受付などの人員体制
- 医療機器、電子カルテ、予約システム、リース契約
- 賃貸借契約、不動産保有、駐車場、看板、内装の条件
- 施設基準、保健所・厚生局への届出、行政手続きの状況
- 院長先生の残留可能期間、スタッフ説明、患者様告知の希望
関連する実務と相談費用
必要な項目から確認してください。クリニックM&Aで候補先を選ぶときに価格以外で見るべき項目/院長先生の引継ぎ期間はどのくらい必要か/最終契約前に確認したいクリニックM&Aクロージングチェックリスト
クリニックM&A総合センターでは、譲渡企業様から着手金・中間金・成功報酬をいただきません。費用負担を理由に相談をためらう前に、匿名段階で状況を整理し、譲渡する場合としない場合の選択肢を比較できます。
相談費用の対象範囲と支援条件は、当センターの料金案内で確認できます。
