顧問税理士・社労士・行政書士などとの連携は、税務、労務、届出、契約の相談事項を分け、資料と担当者を対応させることから始めます。一つの窓口へ任せたつもりでも、誰も確認していない論点が残らないよう、相談範囲と期限を一覧にします。
税務と労務の資料を別々の相談事項にする
税務では、決算書や申告資料、借入、資産の帳簿と譲渡対象を対応させ、税理士へ確認したい事項を整理します。労務では、雇用条件、勤務実績、継続勤務の意向、未確認の扱いを分け、社労士等との相談資料にします。
院長の退任・継続勤務や不動産の売買・賃貸が組み合わさる場合は、前提を各担当者へ同じ内容で伝えます。口頭で得た回答にも、対象の資料、相談日、条件を記録してください。
届出と契約書は確認先・作業日程を明示する
開設関係書類や施設基準等の届出控えは、現状と予定する変更を区別して整理します。所管窓口への照会事項、回答を得る担当者、予定日を一覧にし、専門家への相談と行政への確認が混ざらないようにします。
契約書では、譲渡対象、院長の関与、雇用や設備、賃貸借の取扱いなど、当事者の希望と条文案を照合します。専門家の資格や受任範囲を確かめ、法的判断が必要な部分は担当する専門家への確認事項として残します。
顧問連携の窓口と資料の版をそろえる
顧問連携では、院長側の窓口、候補先への窓口、資料を更新する担当者を決めます。税務・労務・届出・契約で使う数字や譲渡予定日が異なっていないか、最新版の一覧で照合してください。
資料には作成日と版を付け、開示先と相談範囲を記録します。患者やスタッフの個別情報は、相談の目的に必要な範囲を検討し、初期段階の集計資料と区別します。
面談前に整理する資料と確認事項
| 論点 | 用意する資料 | 確認すること |
|---|---|---|
| 税務 | 決算・申告、借入、資産一覧 | 相談の前提、税理士への質問 |
| 労務 | 雇用条件、勤務実績、継続意向 | 説明担当、未確認の条件 |
| 届出・契約書 | 届出控え、変更予定、契約案 | 所管窓口と専門家の確認を区別 |
| 顧問連携 | 担当一覧、資料の版、相談記録 | 同じ数字と日程を共有 |
相談の初期には、広域の所在地や集計情報で説明し、匿名段階の概要とNDA後の詳細資料を分けます。次の経営・契約資料も、手元にあるものと不足するものを一覧にしてください。
- 直近3期の決算書、試算表、月次売上の推移
- レセプト件数、診療単価、再診率、紹介元の概要
- 医師、看護師、衛生士、薬剤師、受付などの人員体制
- 医療機器、電子カルテ、予約システム、リース契約
- 賃貸借契約、不動産保有、駐車場、看板、内装の条件
- 施設基準、保健所・厚生局への届出、行政手続きの状況
- 院長先生の残留可能期間、スタッフ説明、患者様告知の希望
関連する実務と相談費用
必要な項目から確認してください。個人開設クリニックの事業譲渡で注意したい契約と届出/医療DDで買い手が確認するクリニックの運営・行政・人員論点/クリニックM&Aの準備ガイド|段階別の必要資料と進め方
クリニックM&A総合センターでは、譲渡企業様から着手金・中間金・成功報酬をいただきません。費用負担を理由に相談をためらう前に、匿名段階で状況を整理し、譲渡する場合としない場合の選択肢を比較できます。
相談費用の対象範囲と支援条件は、当センターの料金案内で確認できます。
