個人開設クリニックの事業譲渡では、譲渡対象の資産、契約、スタッフの雇用、開設・保険指定の手続を分けて準備します。医院の名前と診療を続ける場合でも、各契約や行政手続の扱いを資料で確認し、引き継ぎ日程に組み込みます。
事業譲渡契約に含めるものを一覧にする
所有している医療機器、備品、内装、在庫、電子カルテや予約システムを挙げ、所有者と契約者を確認します。資産台帳に載っている機器でも、リースや共同利用の契約があれば条件を調べます。譲渡対象に含めない資産、未払・未収、預り金等も記載し、曖昧な包括表現を減らします。
賃貸借は、院長個人が契約者なのか、承継後も同じ場所で診療できる条件なのかを貸主と確認します。名義、保証金、保証人、原状回復、駐車場や看板を含む契約範囲と、承諾や新契約の要否を確認します。
雇用承継と院内説明に必要な時間を確保する
雇用契約、就業規則、給与、勤務時間、職務、勤続や休暇の扱いを整理します。事業譲渡で別の雇用主へ労働契約を移す場合は、本人への説明・協議と個別の承諾が必要です。譲受先の概要や条件を伝え、質問と判断の時間を確保します。候補先が希望しているだけの体制を、スタッフが了承済みとして表示しません。
契約と届出の準備資料
| 確認対象 | 用意する資料 | 判断・確認すること |
|---|---|---|
| 資産・医療機器 | 資産台帳、リース・保守契約 | 所有者、譲渡対象、残債・更新の扱い |
| 賃貸借 | 賃貸借契約、保証金・原状回復条項 | 貸主との確認、新契約・承諾の要否 |
| 雇用承継 | 労働契約、条件一覧、説明資料 | 本人への協議と承諾、質問の時間 |
| 保健所届出・指定 | 開設関係、保険指定、施設基準の控え | 変更内容、所管窓口、必要申請と希望日 |
開設手続と保険指定を別の工程に置く
保健所等の開設関係手続、所管厚生(支)局の保険医療機関指定、施設基準の届出を、それぞれの窓口へ確認します。開設者、管理者、所在地、診療科、人員のどこが変わるのかを示し、希望日と必要資料を相談します。診療の開始と請求を予定する日が、申請や審査の条件と合うかを契約前に照合します。
遡及指定等は類型によって要件や手続が異なります。関東信越厚生局の案内では2026年9月1日以降の取扱いが示されていますが、所在地の所管窓口で自院に当てはまる条件を確認します。契約の締結だけで指定が引き継がれるという前提では日程を組みません。
譲渡企業の相談費用
当センターでは譲渡企業様の着手金・中間金・成功報酬を0円としています。契約・届出に関する専門家や行政手続の支出は、支援の料金と分けて予算を確認します。料金の対象と他社との比較条件は譲渡企業の料金比較をご確認ください。税金・登記・外部専門家費用等が別途必要な場合があります。
関連する準備・方式・評価のガイド
確認資料:厚生労働省:事業譲渡時の労働者への説明・承諾の指針/関東信越厚生局:遡及指定・機能移転の案内。個別の条件は契約、取引方法、所在地の所管窓口に即して確認します。
