電子カルテの引き継ぎは、患者様の情報を誰が、何のために、どの範囲で閲覧・移行するかを決める作業です。病歴等の要配慮個人情報、スタッフ情報、単なる診療集計を分け、候補先の調査段階と診療を承継する段階で管理方法を確認します。
初期検討では個人が分からない集計を使う
診療科別の件数、売上、人員等を集計し、初期概要に患者様の氏名やカルテを含めないようにします。匿名化を検討するときも、少人数の診療や珍しい疾患等から個人を推測できないか確認します。氏名を消しただけで自由に開示できると判断しません。
事業承継と調査段階の情報提供を区別する
個人情報保護委員会の医療Q&Aでは、事業承継先への診療録等の提供について患者様の同意なく提供できる取扱いを示しています。交渉段階での調査は、必要な情報と根拠を確認し、利用目的・取扱方法・漏えい対応・交渉不調時の措置等を契約で定めます。秘密保持契約だけで、あらゆる情報を無制限に渡せるわけではありません。
承継後の利用も、従前の利用目的の範囲を確認します。同意文書、プライバシーの案内、管理規程を集め、目的の変更や別の利用を考える場合は、その対応を確認してから実施します。
閲覧とデータ移行の確認台帳
| 確認対象 | 用意する資料 | 判断・確認すること |
|---|---|---|
| 要配慮個人情報・匿名化 | データ項目一覧、初期集計資料 | 個別情報の必要性と推測可能性 |
| 閲覧権限 | 閲覧者台帳、承認記録、利用目的 | 段階に応じた開示範囲と記録 |
| 同意文書・契約 | 既存の案内、調査・提供契約 | 根拠、利用目的、漏えい・不調時の措置 |
| データ移行 | 仕様、移行計画、バックアップ | 照合、停止時間、復旧と責任者 |
移行完了と権限の切替を確認する
ベンダーと、診療録・画像・検査・予約等の移行範囲、形式、費用、停止時間、バックアップ、障害時の復旧を相談します。移行後は件数だけでなく、必要な診療情報と関連データが閲覧できるかを確かめ、照合結果と残課題を記録します。
院長交代やスタッフ退職に合わせ、個人別の閲覧権限と管理者権限を見直します。共用アカウントや媒体の持出し、複製の保存先も確認し、取扱責任者と事故時の連絡先を引き継ぎます。交渉終了時は、候補先へ渡したデータの返却・削除を契約と台帳に沿って確認します。
譲渡企業の相談費用
当センターでは譲渡企業様の着手金・中間金・成功報酬を0円としています。データ移行や安全管理に必要なベンダー等の費用は、別途確認します。料金の対象と他社との比較条件は譲渡企業の料金比較をご確認ください。税金・登記・外部専門家費用等が別途必要な場合があります。
関連する準備・方式・評価のガイド
確認資料:個人情報保護委員会:診療録等の事業承継Q&A/個人情報保護委員会:通則編の事業承継に関する取扱い。個別の条件は契約、取引方法、所在地の所管窓口に即して確認します。
